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2014-05-13

ソフトテニス・シングルスの変遷(下)

過去2回のブログで、現在のシングルスの一つ前のヘンテコリンなルールについて触れたが、実はその前にも、一部でシングルスは存在していた。


主にインカレや東西インカレなど、学生の広域大会を中心に行われていたのだが、そのシングルスのかたちは、今となってはほとんど知られていないと思うので、ここで紹介させていただく。


たとえばインカレでは、大学対抗(団体戦)、選手権(個人戦)が終了した後にシングルスが行われていたのだが、基本的にどの大学もシングルス専門要員などを育成しているはずもなく、遊び、とまでは言えないものの、明らかに重視されていない種目であった。


当時の『軟式テニス』を見ても、インカレのシングルスで優勝しても、その写真すら載っておらず、単にベスト8以降のドローがページの隅っこに申し訳程度に載っているだけなのである。(結果がまったく載っていないという年もあった)


初めて軟式庭球のシングルスというものを見たのは、東日本インカレだっただろうか。小生は学連の役員としてコートの設営などにも携わったのだが、この当時のシングルスのルールは、いま思えば少し変わっていた。

 1、コートは現在のソフトテニスのシングルスと同じコート(=硬式のシングルスコート)を使う
 2、ネットの高さは、両サイドラインのところで10cm高くし、センターはダブルスと同じ高さにする
 3、ボールは、空気を多く入れて、通常より10cm高く弾むようにする


「ネットを両サイドラインのところで10cm高くし、センターをダブルスと同じ高さにする」というのが、いったいどういうことなのか、わからない人がほとんどだと思うので、作図したものを使って解説したい。

single-net_20140513004503045.jpg


1)ダブルスコートのサイドラインと、シングルスコートのサイドラインの間に、ネットポスト(高さ1.06m)よりも10Cm 高いシングルスポール(図の赤線)を挿入し、ネットの高さを上げる。

2)ネット中央の高さを、ダブルスコートの場合(1.06m)と同じにすべく、針金(図の青線)で引っ張り下げる。


・・・という細工を行った結果、ネットの白帯は上図の通り、緩やかなM字を描くこととなる。


ボールについては、当時のダブルスのルールが、「150cmから落として65cm~80cmにバウンド」というものだったので、それを75cm~90cmにするということだが、これは実際に打ってみるとわかるが、かなり違和感のあるものだ。


ネット中央の高さを引っ張り下げるにあたり、どうやってコートに固定したのか思い出せない。
硬式のセンターストラップがあるコートなら問題ないのだが、そうでなかったとしたら、何かテントのペグのようなものを打ち込んだのだろうか。


上記のような、当時のシングルスのルールを証明する資料がなかなか見当たらないのだが、手元にあった1984(昭和59)年度の東日本学生選手権のドローを見ていたところ、シングルスのページの扉に次のような記載があった。

singles-rule.jpg


ボールとネットのルールについて触れられているが、ボールについては「若干大きくした(空気を余計に入れる)ものを使います」としか書かれておらず、通常よりどれだけ高く弾むようにすればよいのかが、数値で規定されていない。
(このあたりのテキトーさが、シングルスが重視されていなかったことの一つの表れであるように思う)


インカレにおけるシングルスの歴史は案外古く、1958(昭和33)年に第1回大会が開催されているが、この当時から上記のようなルールで行われていたのかどうかはわからない。


今回紹介した二つ前のシングルスのルールは、使うコートについては現在のシングルスのルールと全く同じであるものの、ボールのバウンドとネットの高さの部分が異なっている。硬式に比べてボールが弾まない軟式庭球では、ボールとネットがダブルスと同じでは試合にならないだろうとの配慮から、こうしたルールが生まれたことは容易に想像できるのだが、いま振り返ると、ものすごく“過保護”なルールであったという印象がある。


ダブルスと同じボールとネットでは試合にならないだろう、というのは、当時のごく一般のプレーヤーを基準に考えればそうだったのかもしれないが、運動能力の高いアスリートたちにとっては、あまり苦にならなかったのではないかと思う。
どのレベルの選手を対象にテストして、このルールを決めたのか、甚だ疑問である。





3回にわたってシングルスの変遷を眺めてきた。


ネットの高さとボールのバウンドを変えることで行っていたシングルスから、小生が酷評するヘンテコリンなコート4分割のルールを経て、現在の限りなく硬式のシングルスに近いルールに落ち着いたことは、決してムダではなかったと思う。一度過ちを犯してみなければわからないこともあるからだ。


ダブルスも含め、ソフトテニスのルールはこの20年足らずの間にクルクル変わった印象があるが、それも一段落し、現在のルールはかなり定着しているのではないかと思う。


小生のようなクレーマーから見ても、現在のルールに改善すべきと思う点はほとんど見当たらない。


当面は、現在のルールと長くつき合っていけたらと思っている。

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