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2008-11-21

筑紫哲也氏を悼む

11月7日、筑紫哲也さんが逝去されました。
闘病中だったことは知っていましたが、こんなに早く亡くなるとは思いませんでした。

筑紫哲也さんと聞いて必ず思い出すのが、ぼくが新入社員の頃のワンシーンです。
ある日ぼくは上司から突然、筑紫哲也さんが出演されるという、あるトークショーを聴きにいくよう命じられました。
おそらく取引先のどこかの新聞社が主催していたのでしょう。ぼくは仕事を終えた後、たしか目黒のどこかの会場で開催されたそのトークショーに向かいました。

トークショーがひと通り終わると、来場した人たちからの質疑応答コーナーがあり、そこでこんな質問があったのです。

“「新人類」と「旧人類」の最も大きな違いは何ですか?”

「新人類」というのは当時の流行語であり、いわゆるぼくたちの前後の世代を指した言葉です。
いま思えば、昭和30年代生まれのぼくらをつかまえて「新人類」もへったくれもないもんだ、と思いますが、当時はぼくらもまだ20代前半であり、戦前生まれのオジさん、あるいは団塊の世代から見れば、得体のしれない、つかみどころのない、そんな人種に映ったのかもしれません。

さて、上記の質問に対する筑紫さんの答えは以下のような内容でした。

“「新人類」は、「自分がどうあるべきか」ということよりも
「自分が他人からどう見られるか」ということに価値を見出している”


う~ん、なるほどねぇ。と思わないわけでもありませんでしたが、そのように若者が自分の見てくれというか、表面的な体裁に気を遣うというのは、いつの時代でもそれほど変わらないんじゃないの?という気もしました。

それから20年以上が経過した、今年の初めのことです。
ある古本のサイトで懐かしい本を見つけました。
ホイチョイ・プロダクション著の『ミーハーのための見栄講座 ~その戦略と展開~』という本です。
これは1983年刊で、当時学生だったぼくは、友だちから借りて読んだ記憶があります。ぼくと世代が近い方の中には読まれた方も多いのではないでしょうか。

mie-kouza.gif


この本を読まれたことのない方のために、内容を簡単に紹介しますと、要は当時の若者のライフスタイルにおけるさまざまなシーンで、いかに自分を実力以上に見せることができるか、そのテクニックを面白おかしく解説したハウツー本、というかギャグ本というか、そういう本です。
カテゴリーの中には「見栄テニス」というのもあります。当時のテニスブームは、ボルグやマッケンローの影響によるところが大きく、いまのテニス人気とは比べものにならないくらい爆発的なものがありました。テニスなどやりもしないくせにフィラのジャンパーを着てナイキのテニスシューズを履き、ラケットを小脇に抱えて歩くのがおしゃれとされていた、そして『ポパイ』や『ホットドッグプレス』といった雑誌が、そういうブームをあおり立てていた、そんな時代です。
そのようにテニスをやりもしない人が、実際にコートに立ったとき、いかにして自分をテニスの上級者に見せるか、ということが延々と書かれており、かなり笑えますので、また別の機会にご紹介したいと思います。

さて、この『見栄講座』の前書きを読んでいたぼくは、アッと声を上げそうになりました。
そこには次のようなことが書かれていたからです。

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(前略)若者が仲間にバカにされたくないとの一念で、なにごとにつけ表面上の体裁をとりつくろおうとする傾向は、最近とみに強くなってきました。今日の若者のライフ・スタイルに於いて、「自分がどうあるべきか」などと言う問題は、さして大きな意味を持ちません。重要なのは他人からどう見られるかです。若いうちに試行錯誤を繰り返し、悩み抜いたあげくに自分の進むべき道を見極め、後はなりふりかまわず、ひたすら信ずる道をつき進む、などというシビアな生き方は、もはや、バカにされこそすれ、決してほめられはしません。(後略)
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前述の筑紫さんのトークショーが開催されたのが1986年ですから、筑紫さんがこの『見栄講座』を読んでいる可能性は十分あります。
筑紫さんがこともあろうに『見栄講座』の内容を自説にしていたとは・・・
意図的にパクッたのではなく、いろいろ見聞きした内容が無意識に脳裏に刷り込まれてしまっただけなのかもしれませんが、う~ん、20年以上知らなかったことを知ってしまった、できれば知らないままでいたほうがよかったかもしれない、という複雑な気持ちにさせられてしまいました。

筑紫さんのご冥福を心よりお祈りしたいと思います。

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