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2017-02-10

2017全豪オープンより ①Tシャツを解禁しよう

実に久しぶりのブログアップである。

気がつけば、最後の更新から半年以上が経過していた。

この半年の間、何か特別な事情があったわけではない。
仕事は通常と変わらぬ程度の忙しさであり、健康的にも特に問題はなかった。
テニスもほぼ通常通りやってきたし、試合もそれなりに出ていたのである。


ブログで書きたいこともいろいろあったのだが、たぶんパソコンの前に座って、じっくりと文章を書こうというモードにならなかっただけだったのではないかと推測している。

にもかかわらず、ブログ閲覧者の数は少しずつ増えていたりする。しょっちゅう見に来てくださるのに、ずっと更新できていなかったのは、本当に申し訳ないと思っている。


さて先日、おそらく生まれて初めてインフルエンザというものにかかってしまった。
毎晩アルコールで消毒しているから、絶対にインフルエンザにはかからないという、自信というか確信のようなものがあったのだが、今回は完全にアルコールの負けとなったしまった。

インフルエンザで床に臥していた間は、ちょうどオーストラリアン・オープン(全豪オープン)の開催中であった。おかげで、男女シングルスだけでなく、ミックスダブルスや車いすテニスなど、普段はあまり見ることのできない種目まで堪能できたのである。

いずれも硬式テニスの世界ではあるのだが、軟式庭球改めソフトテニスに長い間関わってきた小生としては、どうしてもそれをソフトテニスと比較した目線で見てしまう。
しかし、そこからソフトテニスの改革につながりそうな発見もいろいろあったので、しばらくそのあたりを書いてみたいと思う。


初回の今回は、「Tシャツ解禁」について。


今回、男子シングルス決勝はフェデラー×ナダルの対戦であったが、両選手のウェアはいずれも丸首のTシャツであった。

ソフトテニスの世界には「ユニフォーム等の着用基準」というものが定められており、それにおけるユニフォームの基準は、「襟があること」が定められているだけでなく、その襟の幅についても、「4~6cm」などと定められているのだ。

なぜソフトテニス界はここまで「襟」にこだわるのだろうか。

高校の頃、学校の体操着の丸首Tシャツで練習をしていた後輩に対し、あるOBが苦言を呈したということがあったのだが、練習時でもTシャツが許されないのだ、ということについて、少なからず驚いた記憶がある。

いまでは、ソフトテニス界でも、練習時にはY社やM社のTシャツを着て練習している生徒が多いように思う。
どんなときでも「襟」がなければいけないのだ、といった発想が薄れてきているのは歓迎すべき傾向だ。

なぜ「襟」がないとダメとされているのか、その理由はよくわからないが、おそらく学校教育の一環で、制服のレギュレーションと同じ発想から始まっているのではないかと推測する。

中体連で、ウェアの裾を短パンの中に入れることが、大会要項で義務付けられているなどという狂気の沙汰は、学校の校則と同じ発想から始まっているのだと考えれば、ある程度は理解できる。

しかし、そういう中体連とかで、シャツをパンツに入れさせている連中には、そういうくだらない規則を強要することが、その競技の普及にどれだけの影響を与えるのか、ということがまったくわかっていない、というか、おそらくそんなことは考えたこともないのだろうと思う。

また別の機会に書きたいと思うが、スポーツの普及・発展は、その現役選手の姿を見て、自分もそういうふうになりたい!と思わせることができるかどうかが大きいと思っている。
そういう意味で、現行のソフトテニスのユニフォーム着用基準は、ソフトテニスの普及にはまったくもって逆行するものであると断言せざるをえない。

ソフトテニスのユニフォームは、もうそろそろTシャツが解禁されてもいいタイミングにきているのではないか。

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2016-08-01

「ブラシかけ」のお作法

オムニコートが主流になってからというもの、コート整備といえば、ブラシをかけることだけを指すようになってしまったが、テニスを始めたときからオムニしかなかった世代にとっての、コートへの“いたわり”のような気持ちは、クレーコートが当たり前だったわれわれの頃とはかなり違うのではないかという気がしている。


クレーコートでも、ラインテープが貼られているコートはまだコート整備が楽だったかもしれないが、小生の母校の大学ではラインも常に石灰を水に溶いて刷毛で描いていたので、それはそれでなかなか大変だったのである。


雨が降ってコートに水たまりができている状態があったとして、しかしすでに雨はやんで太陽が出てきているような場合の、コート再生の手順は概ね次のようなものであった。

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1、水たまりの水を大きなスポンジで吸い取る。
 このときに使っていたスポンジは、いったいどこから調達してきたのかよくわからないが、陸上競技の高跳びに使われるマットの中身をもらってきたのではないかと思われるくらい、立派なスポンジであった。

2、濡れたコート面に新聞紙を敷き詰め、足で踏んで水を取る。
 小生は学生時代、新聞を購読していたが、この水取りに備えて古新聞を新聞とチラシに分別していた。

3、コート面がある程度乾いたら砂を撒いてローラーをかける。
 砂を撒かないと、コートの土がローラーに付着してはがれてしまうのである。

4、ブラシをかけてラインを描く。
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この作業には、上級生も下級生も関係なく、部員が総出であたっていたので、それほど大変だったという記憶はないが、こうやって振り返ると、かなり面倒なことをやっていたなあと思わざるをえない。
逆に言うと、コートへの愛情というか、いたわりのようなものが生まれるには十分すぎるほどの手厚いメンテナンスだったという気がする。


オムニしか知らない人たちは、ラインを描いた経験もないわけで、それはある意味可哀想なことだと思う。


さて、現在も存在する唯一の「コート整備」が、「ブラシかけ」であるわけだが、これのやり方がコートによって、人によって、いろいろ違いがあるのが、小生としては非常に気持ち悪い。


小生の学生時代は、ブラシは常に横にかけることとされており、それについては特に教わったこともない。それ以外の方法でブラシをかけている人など、見たことはなかったのだ。

yoko.png


試合の直前などで、ブラシをかけた後、ラインをほうきで掃く必要がある場合は、まずベースラインとサービスラインから先にブラシをかけるよう教えられた。作業上、それが効率的だからである。


大学を卒業してから現在に至るまで、いろんなコートでテニスをする機会があるが、ときどきお目にかかるのは、ブラシを縦にかけている人の存在である。

tate.png


ブラシを縦にかけることが、それほど大きな問題とは思わないが、個人的にはブラシの折り返し跡がネット際に残るのが気持ち悪い。ブラシを横にかけた場合は、折り返し跡は常にコートの外に残るので、このようなことにはならないのである。


余談だが、小生がときどき使う東京都立の某公園のコートでは、「ブラシは、奇数月は縦に、偶数月は横にかけてください」などと書かれている。いったいどのような意味があるのだろうか。


また、これはオムニコートだけの特徴と言えるのだが、コートによっては「渦巻き状」にかけることを要求されるところがある。

uzumaki.png


渦巻き状を強要している某コートの管理人の話によれば、砂がコートの外に出てしまうことを防ぐためだというのだが、いくらコートの中心に向かって渦巻き状にブラシをかけても、最終的にはブラシを外に出さなければいけないわけなので、多少なりとも砂はコートの外に出てしまうはずだ。


また、渦巻き状にブラシをかけた跡の形、つまりブラシの「目」は決して美しくない。
オムニコートは京都の庭園ではないのである。

teien.jpg


渦巻き状のかけ方がよくないと思う、もう一つの理由は「途中でブラシかけを他の人と交代できないこと」である。

渦巻き状を考えた人は、おそらくテニスをしたことがないのではないかと推測する。


というわけで、ブラシかけはあくまで横方向にこだわりたい。かけた後の「目」が最も美しく、あらゆる意味で理にかなっているからである。

2016-05-08

ソフトテニスの大会はなぜ「定員」を設けないのか

先日、某区の大会に出場した。


開会式では、大会役員によるお決まりの「競技上の注意」が伝えられたのだが、そこでなんと、

 “本日は参加者数が非常に多いので、すべて5ゲームマッチとします”

とのお達しがあったのだ。


小生、長い間テニスをしているが、社会人になってからの公式戦で5ゲームマッチをやらされたのは初めてである。
最後に5ゲームマッチで行った公式戦は、はるか40年近く前の中学時代である。


今回は、スロースターターの自分としては珍しく予選リーグを通過し(この時点でベスト4)、決勝トーナメントに進出したのだが、準決勝でも5ゲームを強いられ(ここでファイナルの末敗退)、決勝だけが申し訳程度に7ゲームで行われたのだった。


確保できているコート数とそのコートの利用可能時間から逆算して、その日のうちに全試合を消化できないと思われる場合、次のようなローカルルールが適用されることはこれまでにも経験がある。

 ◇ファイナルゲームは4ポイント先取、チェンジサービスあり、チェンジサイズなし
 ◇各ゲームともデュースは1回まで。アゲインになったら次のポイントを取ったペアの勝ち
 ◇時間内に決勝まで終わらない場合は、ジャンケンで勝敗を決定


しかし5ゲームマッチというのは今回が初めてであった。


こういうローカルルールに遭遇するたびにいつも思うのだが、ソフトテニスの大会はなぜ参加者の「定員」を設けないのだろうか。


いつも引き合いに出してしまうが、マラソンの大会はネットで受け付けており、それは、申込みをすべて受け付けた後に抽選を行うパターンと、先着順に申込みを受け付けて定員に達した段階で終了にするパターンの2通りがあるのだが、いずれにしても参加者の定員が決まっているのである。


ソフトテニスの大会でも、天皇杯やインターハイなどのように、出場枠が決められていて、誰でもエントリーできるわけではない大会は大きな混乱はないはずだが、それ以外の、誰でもエントリーできる大会は、定員を設けないことには、決められた日程内に大会を終わらせることができなくなる可能性があるわけで、だからと言って5ゲームで実施するなどというのは、参加者を見くびりすぎていると言わざるをえない。


今回の場合、5ゲームマッチで済んだからいいようなものの、では参加者がもっと多かった場合は、3ゲームマッチで行われたりするのだろうか。


もともとソフトテニスという競技は、できるだけ多くの選手が参加できるように、という配慮が随所に感じられる競技である。


シングルスはほとんど行われず、ダブルスのみで行われてきたのも、限られたコートをできるだけ多くのプレーヤーが使えるようにという配慮だし、硬式テニスをはじめとする他競技に比べて試合時間が短すぎるのも、同様の配慮の結果だと思われる。

 ※ソフトテニスの試合は短すぎないか
  http://whoyouknowanata.blog22.fc2.com/blog-entry-160.html


各大会においても、出場を希望する選手ができる限り全員出場できるように、という配慮の結果、定員を設けることなく万人に門戸を開放するというやり方が一般的になっているのかもしれないが、その結果として、5ゲームマッチを強いられるなどというのは本末転倒である。


仮に定員を設けた場合の取り扱いだが、前述のマラソン大会のやり方にならえば、①定員を超えた場合は抽選にする ②先着順に受け付ける の2通りが考えられる。


①の抽選方式であれば公平だが、②の先着順方式はいろいろ問題がありそうである。というのは、現在のソフトテニス大会の多くが、クラブ単位で申込みを行うルールになっているため、極端な場合、Aクラブは全員が出場でき、Bクラブは全員が出場できない、といったことが起こりうるからである。
申込みはクラブ単位などではなく、あくまで各選手個人の自己責任において行われるべき、というのは以前のブログで述べた通りである。

 ※大会へのエントリーをもっとシステマチックにできないか
  http://whoyouknowanata.blog22.fc2.com/blog-entry-358.html


ソフトテニスの競技人口は今後も劇的に増えることはないと思われるので、各連盟はこれまでのやり方を踏襲していれば、決められた日程内に大会が消化しきれないという心配はほとんどないのかもしれないが、人気のある大会の場合は、参加希望者が集中する可能性は十分あるだろうと思う。


その結果として、ファイナルが4ポイント先取になったり、ましてや5ゲームマッチになったりして、しかも参加者がそのことをおかしいと感じないというのは、やはり競技としての成熟度が低いからではないか。


確立された競技として、参加者全員がきちんとしたルール通りの試合ができるよう、大会主催者は参加者の「定員」を設けるべきであると思う。


各連盟には、ぜひともご検討をいただきたい案件である。

2016-03-30

硬式の不振はソフトテニスのせいか

先日、下記のような新聞記事を目にした。


錦織圭選手に続く選手たちの登場が妨げられている要因を考察したものなのだが、以下に全文を(無断で)転載したので、少し長いがまずはお読みいただきたい。

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硬式テニス部ある中学校は1割…錦織人気の陰で後進に壁
(朝日新聞デジタル 2016年3月17日05時32分)


 錦織圭選手(日清食品)の活躍に刺激され、テニス人気は上昇中。でも、錦織選手と同じように世界で羽ばたくのを夢見る少年少女の行く手に「空白の3年間」が横たわる。いったい、どんな問題なのか。

 小学生までは民間クラブでテニスに親しんでいても、テニス部(硬式)のある中学校は全国で約1割しかない。このため中学進学を機にやめてしまい、中学時代の3年間に伸びるチャンスを奪われるケースが多いのだ。

 テニス部が少ない背景の一つに、日本中学校体育連盟に加盟していない点がある。加盟するための条件は「全国9地域のブロックのうち、6地域で認められていること」。テニスは現在、北海道、近畿、四国、九州の四つにとどまる。

 実は、日本中体連に加盟している競技は計19もあるが、1981年以降、一つも増えていない。平手陽事務局長に聞くと、「テニスに限らず新規参入の扉を閉ざしているわけではない。全国大会は各地域が順番で開催してきた歴史があり、現場の指導者が足りない地域だと大会運営が難しい。そうした理由から6地域以上の加盟を新規加入の条件にしている」と説明する。

 さらに日本テニス協会は98年から日本中体連に全国中学校体育大会(全中)でのテニス採用を働きかけてきたが、「全中で実施されないから創部が進まない。高校以降も生涯スポーツとして人気は高いのに」と鈴木宏事務局長は嘆く。全国高等学校体育連盟の今年度の登録数を見ると、テニスは10万7965人で、サッカー、バスケットボール、バドミントン、陸上に次いで多い。競技人口が足りないわけではない。

 テニス部が増えない理由の一つに、日本発祥のソフトテニスの存在が考えられる。19世紀末、フェルトで覆うテニスボールの国産が難しく、輸入品が高価だった時代に、安く手に入るゴムボールを使ったテニスが普及し、今に至っている。世界のトッププロが巨額の賞金を稼ぎ、五輪でも実施されるテニスと比べるとマイナー競技に感じられるが、全国の中学校で部があるのは男子が52・2%、女子66・8%と高く、日本中体連にも加盟している。

 それに部活の創設は校長の裁量に委ねられている。学校の敷地内にテニスコートの面数が限られる場合、ソフトテニスと譲り合う調整が必要になり、テニス部新設の動きは加速しない。

 テニス界の危機感は強い。日本テニス協会が3年前にまとめた調査によると、2008年までの13年間で、テニスコートの面数は約4分の3に減った。固定資産税や地代が経営を圧迫。さらには経営者が世代交代をするとき、相続税を納めるために土地を処分せざるをえず、閉鎖に追い込まれる事例が多いからだ。

 一方、同じ調査では、テニススクールに通う生徒の約1割が10歳未満というデータが出た。全米オープン準優勝、世界ランクも最高4位まで上昇した錦織選手は、中央調査社が昨年発表した「最も好きなスポーツ選手」で1位になった。スターが誕生すれば、競技への注目度は高まる。

 日本テニス協会は内閣府に対し、全中での公式種目採用を求める請願書を出し、国の後押しを期待する。中国ブロックで条件が整いつつあり、東海ブロックでも前向きな動きがある。日本テニス協会の内山勝専務理事は「一日も早く、扉が開くのを切望している。中学生世代の空白が埋まれば競技人口が増えて裾野が広がり、錦織選手に続くような世界的なプレーヤーが出てくる夢も広がる」と期待している。(編集委員・稲垣康介)

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上記の記事の趣旨を一言で言うと、

“小学生まで民間クラブで(硬式)テニスを習得してきても、中学校の1割にしか(硬式)テニス部がないので、伸びる機会が奪われている”

というものであり、その理由として、

 1、(硬式)テニスという競技が中体連に加盟していない
 2、多くの中学校にソフトテニス部(中体連加盟競技)が存在している

の2点が挙げられているのである。


つまり、「ソフトテニス部があるから、(硬式)テニス部が新設されないのであり、だから錦織選手に続く選手が生まれないのだ」と言わんばかりである。


この認識はある意味間違いである。錦織選手は早い段階でアメリカにテニス留学しており、中学校の(硬式)テニス部で育ったわけではない。


また、現在の日本の(硬式)トッププレーヤーもほぼ錦織選手と同様の境遇であり、中学校の(硬式)テニス部を本拠地にしているような選手は少ないはずである。


さらに考えられるのは、現在の中学校ではテニス部に限らず、部活動の顧問をやりたがらない先生が増えているという点であり、実はこちらの影響のほうが大きいのではないかと思う。


このように、この記事はあまりに表層的な部分しか見ていないように思う。特に(硬式)テニス部が増えないのを、ソフトテニスのせいにするのはあまりにも短絡的であると言わざるをえない。


ソフトテニスの関係者で、この記事を読んで怒る人は多いだろうと思う。小生も決して愉快ではないが、しかし、この記事にただ怒るだけではあまりに能がなく、この記事を書いた記者と同じ浅いレベルにとどまってしまうような気がする。


この記事をもう一度冷静に読むと、次のようなことがわかる。


 1、(硬式)テニスの中体連加盟の動きが出てきている。
   (中国ブロック、東海ブロックが認めれば加盟の可能性あり)

 2、(硬式)テニスが中体連に加盟すると、コート数が豊富でない学校の
   場合は、テニス部が硬式かソフトかどちらかになる可能性がある。


(硬式)テニス界は、内閣府に請願書を出すなど活発な働きかけをしており、その結果、中体連加盟が決まった場合、(硬式)テニス部新設の動きが加速する可能性があるということだ。


そして、コート数が少ない学校では、硬式とソフトを共存させられないため、「来年からソフトテニス部を廃止して(硬式)テニス部を新設する」といった動きも出てくるかもしれないということなのだ。


ソフトテニス関係者は、とかく(硬式)テニスを毛嫌いし、敵視する傾向にあるが、小生はそういう感情は持っていない。


そもそもソフトテニスはこれまで、(硬式)テニスブームのおかげで発展してきたといっても過言ではないと思っている。


小生自身がそうだったのだが、小学生のころテレビで(硬式)テニスの試合を見て、中学に入ったらテニス部に入ろうと思い、入ってみたらそこで行われていたのは軟式だった、ということは、かなり多くの人が経験していると思う。軟式がメディアで取り上げられる機会が少ないためか、テニスに硬式と軟式があるということは案外知られていないのだ。


古くは「エースをねらえ!」、その後の「テニスの王子様」、そして最近の錦織圭と、テニスブームは定期的に訪れているが、そのたびにテニスを志す少年少女の受け皿となってきたのが、中学校のソフトテニス部なのだ。


その少年少女は、ソフトテニスをやっているうちに、それが自分のイメージしていたテニスとは違うことに気がつくのだ。自分がやりたかったのはこんな(ソフト)テニスではなかった、とやめてしまう者もたくさんいるだろうが、ソフトテニス界はそのことに対して、これまで特に危機感は持っていなかっただろうと思う。


なぜなら、ソフトテニスは中体連加盟競技であり、(硬式)テニスはそうでないからである。ソフトテニスをやめた者が(硬式)テニスをやりたいと思っても、ほとんどの中学校には(硬式)テニス部はないため、彼らが硬式に流れてしまう心配はないのだ。
これまでソフトテニス界はそのことに“あぐら”をかいてきたのだと言える。


上記の記事では、「テニス界の危機感は強い」とあるが、いま本当に危機感を抱く必要があるのはソフトテニス界のほうであると思う。


最も悲観的なシナリオは、


 (硬式)テニスが中体連に加盟

  ↓

 全国の中学校のソフトテニス部が廃止され、(硬式)テニス部が新設

  ↓

 ソフトテニス人口が激減し、裾野が狭くなる

  ↓

 国内での競技レベルも低下し、国際大会における地位も低下
 


ということになるのかもしれないが、実は小生はそれほど心配していない。


ソフトテニスには、現在のプレーヤー以外にも、過去にプレーしていた人たちが無数、とは言わないまでも相当数存在するはずである。その多数の経験者たちが、自分の子どもをはじめ、次の世代にソフトテニスの魅力を説いて、ソフトテニスの世界に導いてくれればよいのである。


そして、その子どもたちが、また次の世代にこの競技を伝えていってくれるという“連鎖”が生まれれば、この競技の将来は決して悲観するようなものではないのだと信じたい。


そのためには、ジュニア世代に「ソフトテニスをやっててよかった」と思える体験をいかに提供できるかが重要になってくると思う。某高校で3年間の部活を終えたある生徒が、「もう二度とソフトテニスなんてしたくない」と言ったという悲しい話を聞いたことがあるが、それは指導者や顧問の何かがいびつだったのだろうと思う。


また、ソフトテニス関係者ではない一般の人たちから、「ソフトテニスはマナーが悪い」とか、「ウェアがダサい」などと後ろ指を差されたりしてしまうと、ソフトテニスへの愛着が一気に冷めてしまう可能性もあり、そういう意味でも小生は、常日頃からこの競技の“品格”を高めていきたいと考えているのである。

2016-03-21

『ソフトテニスマナーBOOK』で何かが変わるか

日本ソフトテニス連盟(以下「日連」という)が、「ソフトテニスマナーBOOK」なる冊子を発行し、全国の支部連盟に配布したという。(日連のホームページにもPDFファイルが貼ってあるのでぜひお読みいただきたい)

マナーBOOK


聞いた話によると、このマナーBOOKは、以前からマナーの向上に取り組んでこられた福島県連盟の方が中心になって編纂し、日連から全国に展開することになったものらしい。


このような取り組み自体は評価できるものであり、やらないよりはやったほうがいいことは言うまでもないのだが、こんな冊子をわざわざお金(それはわれわれ加盟員の登録費から捻出されている)をかけて制作・印刷・配布して周知しなければならないほど、ソフトテニスのマナーは腐っているのかと思うと、非常に情けないものがある。


ソフトテニスという競技は以前から、特に硬式テニスとの対比においてマナーの悪さが指摘されており、その改善に向けてこれまでにもさまざまな取り組みが行われてきたと思う。


ただ、小生に言わせれば、いずれの取り組みも抜本的な改善策にはなっておらず、何より強制力がほとんどなかったため、全体的にはこれまでと何ら変わることがなかった、というのが正直な感想だ。


そういう意味では、今回このマナーBOOKが日連から発行されたということは、日連がこれまでのやり方から一歩踏み出して、新たなステージを目指そうとしている印象を受けなくもない。


しかし、このマナーBOOKの内容を見る限り、ほとんど新しい話は書かれておらず、当たり前のような項目のオンパレードであるのが非常に残念だ。こういう当たり前のような項目ばかりが列挙された冊子は、まずほとんどの人がきちんと読まないだろうと思われる。


小生はこれまで、このブログを通じて、さまざまなマナーの改善提案を行ってきたつもりである。


◇マナーの話やけど・・・
  http://whoyouknowanata.blog22.fc2.com/blog-entry-80.html

◇マナーの話
  http://whoyouknowanata.blog22.fc2.com/blog-entry-115.html

◇最近気になるこんなマナー
  http://whoyouknowanata.blog22.fc2.com/blog-entry-136.html

◇コート横断行為撲滅作戦
  http://whoyouknowanata.blog22.fc2.com/blog-entry-234.html

◇少し奇妙な(?)マナー向上施策
  http://whoyouknowanata.blog22.fc2.com/blog-entry-298.html


今回のマナーBOOKでは、小生がこれまで提言してきた内容に合致しているものもあるが、逆にまったく取り上げられていないものも多々あり、まだ道半ばであるという感想を持たざるをえない。


小生の提言に合致しているものとしては、以下のような項目が挙げられる。
(“⇒”以下は小生のコメント)


===================================

(大会会場でのマナー)
(1)観客席や通路にシートを敷いたり、荷物を置いての占拠は、やめましょう。
 三脚等の通路での使用はやめましょう。


 ⇒観客席は言うまでもなく観戦する人のためにあるはずなのだが、関係者の
  荷物等で占拠されており、しかも人がほとんど座っていないというケース
  が非常に多い。


(試合中の応援マナー)
(2)相手のミスに対しての拍手や、喜びを表す大きな声は慎みましょう。


 ⇒これは実はすごいガイドラインだと思う。自分のポイントだろうが相手の
  ミスだろうが、ポイントすれば「ラッキー!」と声援を送るのがこれまで
  のソフトテニスの“文化”だったからである。これを慎めと言っているのだ
  が、そんなに簡単に徹底されるのだろうか。


(大会会場でのマナー)
(3)コートでは、譲り合って練習を行いましょう。
(4)ラケットを置く等の場所取りはしないようにしましょう。


 ⇒これも根深い問題である。このような譲り合いの精神を選手に求めてもな
  かなかうまくいかないので、大会主催者によっては定期的に合図をして練
  習の交代をさせているところもあるくらいである。


(試合中のマナー)
(5)連続したプレーになるようにペアとの過度な打ち合わせはしないようにしま
 しょう。(ファーストサービスとセカンドサービスとの間の打合せや1ポイ
 ントごとに駆け寄って話す等。)


 ⇒ファーストとセカンドの間の打合せは、実はナショナルチームの選手です
  ら行っているものであり、1ポイントごとに駆け寄って話す行為に至って
  は、特に女子ではナショナルチームから中学生まで、あらゆる階層で行わ
  れているのではないか。これをやめましょうという今回のガイドラインは
  極めて画期的ではあるが、実効性があるかどうかは甚だ疑問である。


(6)対戦相手に向かって、ガッツポーズをして、威嚇するような行動はしない
 ようにしよう。


 ⇒これは先日のブログで、東京インドアで優勝した高橋選手についてコメン
  トした内容に通じるものである。東京インドアに出場し、多くの小中高生
  から見られているような選手がこういう行動をしているのは非常に残念で
  ある。

◇東京インドア雑感2016(上)
  http://whoyouknowanata.blog22.fc2.com/blog-entry-369.html


(アンパイヤーのマナー)
(7)コールは大きな声で行いましょう。


 ⇒これも以前のブログで指摘している事項である。やる気なさそうにボソボ
  ソとコールをする輩があまりにも多すぎる。

◇審判員制度の改革提案
  http://whoyouknowanata.blog22.fc2.com/blog-entry-357.html

===================================

以上、小生が指摘してきたことと合致する点はいくつか見受けられるが、取り
上げられていない点も多いのが残念だ。


以下は以前から小生が指摘している点であるが、これらを改善しないことには、
ソフトテニスという競技は真の意味での“まともな競技”にはなれないだろうと
思っている。


===================================

(1)他人の試合のインプレー中にコート後方を横切る行為
 (隣のコートに入ったボールを拾うために侵入する行為を含
む)


 ⇒これは小生が最も忌み嫌う行為なのだが、実は初心者から一流選手、
  選手から大会役員、ジュニアからシニアと、ありとあらゆる階層で見られる
  のである。いかに根が深いかがおわかりだろう。


(2)審判がコールする前に「アウト、アウト」などと叫ぶ行為

 ⇒これもすごく勘にさわる行為だ。この行為の何が問題なのかわからない連
  中も多い。審判以外の人間がアウトという言葉を発することの問題点がなぜ
  わからないのだろうか。

===================================


今回のマナーBOOKに示されたガイドラインはどの程度強制力があるのだろうか。
試合中にこれに反する行為をした選手がいた場合、即座にイエローカードを出してもいい、というくらいの運用をしないことには、なかなか定着しないのではないか。


「ソフトテニスの歌」しかり、「マスコットキャラクター」しかり、日連の取り組みはとかく、何かを作って終わりであり、もっと大切な“それをどのように運用して定着させるか”という視点が決定的に欠落していることは以前のブログで指摘した通りである。


今回のマナーBOOKは、ある意味、ソフトテニスという競技の将来を左右する画期的な取り組みだと思っているので、これがそれらの二の舞になってしまわないことを願うばかりである。

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